- いつ
- I
いつ【一】(1)ひとつ。
「その生活は~の秘密だといふことであつた/青年(鴎外)」
(2)同じであること。 同一のもの。「心を~にする」「帰する所は~である」
→ いつにIIいつ【五】(1)数のいつつ。 ご。 多く名詞の上に付いて接頭語的に用いられる。「~柱」「~文字」
(2)ご。 いつつ。 数を数えるときに用いる。III「~, む, なな, や」
いつ【何時】(1)不定称の指示代名詞。 不定の時を表す。 物事の行われたとき, あるいは行われるときがわからなかったり, はっきりしなかったりすることを表す。「~できるか」「今月の~がいいか」「~になったら晴れるのか」
(2)いつものとき。 普段。「~の年よりも雨が少ない」「~になく沈んだようす」
~となく(1)いつと定めることなく。 いつも。 常に。 始終。「~塩焼くあまのとまびさし/新古今(恋二)」
(2)いつと期限を切ることなく。 いつまでも。 無期限に。「法皇のいつとなう鳥羽殿におしこめられて/平家 4」
(3)いつの間にか。「何となく鏡を見れば, はや~衰へ/狂言記・土産の鏡」
~とはなくいつの間にか。 いつとはなしに。 いつともなく。「集まっていた人々も~姿を消してしまった」
~とも分かずいつという決まりもない。「~ぬ恋もするかな/古今(恋一)」
~にな・い普段にはない。 平生とは違う。IV「~・くうれしそうな顔」
いつ【佚】楽をすること。~を以(モツ)て労を待つ〔孫子(軍争)〕味方の鋭気を十分養っておいて, 疲れた敵兵にあたらせる。Vいつ【凍つ・冱つ】⇒ いてるVIいつ【厳・稜威】(1)神聖であること。 斎(イ)み清められていること。「~の真屋に麁草(アラクサ)を~の席(ムシロ)と苅り敷きて/祝詞(出雲国造神賀詞)」
(2)勢いの激しいこと。 威力が強いこと。「~の男建(オタケビ)踏み建(タケ)びて/古事記(上)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.